脚をひきずったり、お通夜に行ったり、そうこうしているうちに呆然といくつもの締め切りに追い抜かれたり、そしてそのまま呆っとしていたりといった一週間であった。気持ち的には忙しかったのだが、何も進んでいないところに妙味がある。
唯一進んだのが、天若湖アートプロジェクトの本づくり。最後の最後で僕が変な欲を出して、他の執筆者をえらく苦しめてしまったりした。でも、いろんな話をして、いろんな気持ちの詰まったものになったと思う。そのことは、編集部内で共有できたような気がした。それが一番の収穫だったのかもしれない。 素人集団を、ゆるくかつ的確に引っ張ってくれた、キョートット出版の小川恭平さん。僕たちのいい加減なレイアウトデータを、びしっと整えて下さったプロフェッショナル、Rap Design Studio の山口晃吏さんに、厚く感謝します! ふくらはぎの方はだいぶ良くなったと思ったのだが、昨日ずっとカウンターで飲んでいたせいか(シェリー酒、いいなあ)、それとも今日の梅雨空のせいか、少し痛んだ。 最近の気鬱の一つの原因は、この脚の不調にあったのも間違いなさそうなので、早く治ってもらいたいものだ。 追い抜いて行った〆切の影を、明日は負わなくてはならない。消耗戦である。こういう時に限って、詩が思いつきそうだ・・・。 ▲
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| 2009-06-30 01:22
| 日々のあれこれ
■6月24日(水)
早朝に電話が鳴った。妻が出たがなにやら声を潜めている。どうやらあまり良い連絡ではないようだった。果たして訊いてみると、奈良の叔父が亡くなったという。 ということで、用事を片付けてから、家族4人で奈良の葬祭会館へ向かった。10年ほど前から、治りにくい肺病を煩っていたのは知っていた。しかし、それが本当にこう進行して、本当に亡くなってしまうとは思わなかった。いつも格好よく明るかった叔父の印象しかないので、鼻が異様に尖った死に顔は、なんだか意外な感じがした。肌は黄色いゴムのようで、人のものではない感じが確かにあった。その変容に思わず胸を突かれる思いがした。出るだろうかと思っていた涙が、この時に溢れ出た。 でも明るい人の通夜というのは、やはりそう暗くはならないもののようで、残されたいとこ(叔父さんの息子や娘)たちも明るく振る舞っていた。もちろん、ぼくたちがまだ家を出ずにいた早い時間に、泣いたのだろうが。 病気と闘うだけ闘って亡くなった人というのは、遺族としては一番ありがたいのではないかと思った。 よく、理想の死に方、なんていう話になると、長く苦しむのより突然の事故で死にたいな、などというのが出てくるが、こういうのはむしろ遺族は辛いだろう。「何故だ」という気持ちが残るに違いない。 自殺というのは、そういう観点から見れば最悪の死に方なのだと思う。残された者を苦悩の正体のない割り切れなさに落とし込んでしまうように思われた。死に方を選べるなどとは、思わない方がいいのかもしれない。 帰路、つくっている本のことで電話あり。頭のなかでぐるぐるになり、結局翌朝まで一睡もできなかった。 ▲
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| 2009-06-26 08:36
| 日々のあれこれ
脚はだいぶ良くなってきたような気がする。足のむくみや紫色はほとんどとれた。ふくらはぎに違和感は残っているが、歩けないような痛みがあまり感じなくなってきた。
一応予約を入れていたので、MRIの検査に行ってきた。核磁気共鳴画像なんちゃらというやつである。断層写真を撮って、断裂の規模や血腫ができていないかなどをチェックするのである。 「ガンガン工事現場みたいな大きな音がします。30分はかかりますので、動かないで我慢して下さい」と言われた。筒に身体を入れられて聴こえてきたのは、音楽としかいいようのないものだった。 いつのまにか、寝てしまった。 ▲
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| 2009-06-22 21:22
| 日々のあれこれ
■6月17日(水)
朝一番で、たまっていたレポートの添削を片付ける。それを事務所に放り込んだ後、地元の小学校へ。 「芸術家等の学校への派遣事業」とかいうので、インド古典音楽の演奏家の人たちが来るのである。シタール、タブラ、サントゥール、タンブーラの四重奏。一定の低音を出し続けるタンブーラに強く惹かれた。フレットレス・シタールという感じの佇まいだが、その音色は独特のもの。撥弦楽器とは思えない、なだらかでふくらみのある長い音を出す。欲しい。これを弾きながらホーメイをしてみたい、と思った。 12時になる前に、病院に飛び込む。脚の様子を見てもらった。翌週月曜に改めて検査をしてもらうことに。病院を出られたのは14時を回っていた。 家に戻って翌日の挨拶回りのための資料を作り、16時過ぎに天若湖本の打合せでRAP DESIGN STUDIOへ。17時過ぎには辞して、A君と北白川で待ち合せ、大原へ。 大原では、「八朔踊り」「大原道念音頭」の踊りを見せてもらい、ビデオで記録するという仕事をした。大原の子どもたちに地元の伝統を伝えるための資料作りなのである。 22時くらいに帰宅。翌日の資料をつくる。 ■6月18日(木) 6時に起きて資料を印刷、7時45分にさとうさんと待ち合わせて、南丹地方のプロジェクト関連機関への「あいさつまわりツアー」。開庁の9時に府庁の出先事務所に飛び込み、市役所その他を飛び回る。地元の方のところへも、ご挨拶にうかがう。 17時半には、亀岡市文化資料館へ。筏復活プロジェクトの会議に混ぜてもらった。22時過ぎに「さと」で夕食をとった頃には、もうへろへろである。 ■6月19日(金) 今日からややヘビーな仕事が続く。昨日までの疲れも抜けていない。脚は少し良くなってきているように思うが、自由に動けないことは、やはり気持ちの張りを奪うものだ。早く寝ようと思う。 しかし走り回り過ぎだ・・・ ▲
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| 2009-06-19 23:26
| 日々のあれこれ
今日は出張で埼玉の三郷まで行ってきた。日帰りで、今はもう家にいる。脚が保つかどうか心配だったのだが、そんな酷い痛みにも見舞われず、無事に帰ってきた。
と思ったのだが、脚を締め上げていた繃帯をほどき、靴下を脱いでびっくり。 ![]() 踵から土踏まずの横あたりが紫色になっているのであった。ここは直接の損傷部ではない。考えられることはただ一つ。損傷したふくらはぎ内部でまだ出血が続いていて、それが重力によって組織内を降りて来て、足にたまっているのである。 心配になってきた。少し安静にした方がいいのだろうか。 ▲
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| 2009-06-15 21:56
| 日々のあれこれ
一昨日の晩、松葉杖をかついで店を出たら、地下駐車場は店じまい。まいった。まあ、あわてても仕方ないし、ということで、飲み物を買い足して川べりに降りる。
深夜の鴨川で、小川さんが「いいことばかりは、ありゃしない〜」と歌い出した。僕も「昨日は白バイに捕まった〜」とつなげたことは言うまでもない。 さとうさんが、空をあおいで、それからゆっくり息をすって、「プロローグ」を読み始める。川の音も少し静かになった。 昨日土曜も、出町デルタに出かけた。口琴名人の小嶋さんのお誘いがあったのだ。昨日みたいな失敗はしないぞ、と思いつつ、またも出町の地下駐車場へ。停めてから、財布を忘れたことに気がついた。最悪である。 とにかく集合場所に行って、こんちは、などといって口琴に興じていると、あとから来た何人かの人に挨拶された。こっちはどうもよく覚えていなかったりするので、いいかげんな愛想笑いなどしながら、えーとどこでおあいしましったけ? 的な気持ちになっていると、あるひとは、 「ほらこないだ時計台前のテントで一緒に飲んだじゃないですか」 という。あの晩の泥酔ぶりは、近年にない悪夢だった・・・。あの時なにをしたのだったか・・・。 またある人は 「この前VIVA LA MUSICAで、ノリノリだったじゃないですか」 という。ロックの日、来られてたんですね・・・あの日の乱行も見られてたわけか・・・。トホホである。 でも、セッションは楽しかった。小嶋さんのテクニックを間近に見ることもできたし、「倍音の丘」を企画したテッペイさんとも知り合えた。なにより、薄曇りと柔らかい晴れを往復するような初夏の午後の河原という場所が、気持ちよかった。 結局駐車場代は、ほぼ初対面に近い小嶋さんにお借りして地下を脱出した。情けないことである。 で、今朝である。脚が痛い。どんどん悪くなっているような気がする。この数日無理しすぎたのだろうか。 明日は日帰りで埼玉三郷へ出張である・・・。ツアーは続く! 最悪だぜ! 「Baby 逃げるんだ!」の気分である。 ▲
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| 2009-06-14 12:25
| 日々のあれこれ
というわけで、昨日から松葉杖の生活である。
結構むずかしいもので辟易している。きちんと両方の杖を正しい位置におろさないと、次のステップでふらついてしまう。体重は手に受けるのであって脇で支える訳ではないのだが、脇を締めないと杖が遊んでしまって、これもあぶない。身体を振り子の原理で前に出すというが、これも結構腹筋を使う。これを最小限に押さえるには、全体の長さと、グリップの高さの精密な調整が必要なようだ。今使っているのは、伸縮自在なアルミニウム製のもので、かなり自由度が高いが、古い木製のものだと、身体に合わなかったら悲惨だろう。こればっかりはレトロなほうがいいとはいえないようだ。 ▲
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| 2009-06-11 22:59
| 日々のあれこれ
昨日6月9日の出来事。
仕事を終えて職場を出たら、なんかまだ帰るの惜しいな、という気持ちになって、ひさしぶりに「VIVA LA MUSICA」へ。 日本酒を1杯いただいていると、なんか店の感じがそわそわしている。マスターの植松さんに聞いてみると、 「今日6月9日はロックの日なんですよ」 ということで、イベントがあるようなのだった。 それでそのまま居座っていると、DJの人がどんどんいろんなロックをかけていく。こっちも気分よくなってどんどん酒は進む。みんなと同じように立ちあがって身をゆすっていた。 いろんな曲がかかるのだが、店の内装のせいなのだろうか、DJの選曲の妙なのだろうか、どの時代の誰の曲もなんだか統一されたトーンに聴こえる。大昔のブルーズも、Television の Marquee Moon も、AUXも、みんな同じロックなのだと。 渋めの洋楽に混じって、The Street Sliders の Blow The Night がかかったが、素晴らしくタイトな演奏。こんなバンドがいたんだよな。RCは、ちょっとひねって「つ・き・あ・い・た・い」。 どうもこのあたりからテンションがおかしくなっていったようだ。Newyork Dolls がかかったときだったか、ぴょんぴょん跳ねていた右足に衝撃を感じた。ふくらはぎを、力一杯蹴られた感じがしたのだった。故意に蹴りを入れた、という悪意を感じる痛みだった。むっとして振り向いたが誰もいない。 そういえば、アキレス腱が切れるときって凄い音がするっていってたな・・・。どうやら筋肉が切れたらしいということに気付くのには、そんなに時間はかからなかった。しかし、これがどういうことなのかということに気付くには、次の朝まだかかったのだった。 酔っているというのは恐ろしいもので、痛みはもちろんあったものの、それでもなんだか踊り続けていたのだった。バンドも出てきて、みんなこんなんなっていて最高潮である。傷を負っていることでむしろ盛り上がる方に気分が行ってしまったようだった。いろんな狼藉を働いたようである。恥ずかしいことだ。 そして続けざまに酒を流し込み、身体を動かし続けた。これがよくなかったようだ。 翌朝目覚めてみると、ひどく痛む。立てない。昨日帰って来られたのが不思議なくらいだ。あまり気分がよくなかったのは、酒が残っているせいもあったろうが、どうも発熱していたようだった。午後少し楽になってからも7度以上あった。 立てない、歩けないというのがこんなに不便で辛いことだとは思わなかった。近所の病院に行くのにも、えらい難儀をした。 病院では肉離れだと言われた。筋肉の部分断裂である。アキレス腱は大丈夫そうだということで、薬と湿布で様子を見て行くことに。 病院で松葉杖を借りた。慣れないと怖いものだ。かばんなんかを手に持っていると、左右のバランスが悪くなって転びそうになる。ある程度歩けるようになってくると、今度は腹筋をひどく使っているようで、上の方の腹筋が攣りそうになった。 もらった炎症止めが効いたのか、夕方にはだいぶ楽になった。カニのように横向きになら歩けるようにもなってきた。だがここでの油断は禁物らしい。 夕方には天若湖アートプロジェクトの学内ミーティング。僕が元気ない分、みんなの話題は弾んでいる様子。今日もいろいろなアイディアが出た。良いことだ。 明日は宿題山積。夜は実行委員会だ。 ▲
by kotoba1e
| 2009-06-10 23:57
| 日々のあれこれ
今日(6月8日)は、新雑誌「言鳴」の編集会議があった。河原町三条六曜社コーヒー地下店。窪ワタル、宇野善幸、かづきあおい、そして私という顔ぶれ。
これまでは朗読会として続いてきた「言鳴」だが、これからは雑誌としての顔も持つようになる。今日の会議では、おおまかなページ構成とスケジュールが決まった感じである。 よかったよかった。それと、これからどうなって行くんだろう・・・ ▲
by kotoba1e
| 2009-06-09 00:47
| ことばと表現
■6月7日(日)
天若湖アートプロジェクトの一環として、水没せぬまま廃村となった村「小茅」の現地踏査に行った。この感慨については、改めて天若湖アートプロジェクトのブログで触れたいと思うので、ここでは詳述しない。 その帰り道、湖畔の山道にて、「またたび」を発見。この季節、枝先の葉が白くなるので、すぐにわかる。車を停めて、一枝いただいてきた。 ふだんクールにキめているもっちゃんだが、やはり猫である。これには勝てない。新鮮な歯を噛み締めては、だらしなく横になって、身をよじったりしている。猫にとってのまたたび、人間にとっての何にあたるのだろうか。 ![]() ▲
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| 2009-06-08 00:43
| 自然と景色
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