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そぞろ神

 今朝は大原の染織家Uさんが大学に見えた。地元史の研究家でもあるUさんの今日の話は、大原の伝統芸能である八朔踊りとか道念踊りと呼ばれているものを、子どもたちに伝承していくのに、何かいい工夫はないだろうか、という話。今年の天若での幻の歌発掘のこともあったし、この手の伝統的なものに興味もあるので、お引き受けすることにした。一切伴奏なしで暗い森で行われる盆踊りなのだそうだ。古老は伝統にかたくななのだという。そういう方々が不快に思うようなやり方でウケを狙うのはよくないだろう。逆に、すでに導入されてしまっているPA等を取払い、森の空間の中での響きを大事にすることで、子どもたちもむしろ反応してくれるのではないだろうか。そんな音響の仕組みから、踊りの図解まで、できることはいろいろありそうである。これもまた「地域デザイン」なのだろう。
 夕方はゼミの学生と卒業制作の打ち合わせ。みんな顔色が変わってきた。もうそういう季節なのだ。

 その他はあまり何もしなかった。締切近い書類が相当溜まっているのだけれど、どうも手を付ける気になれなかった。やったことは家のストラトをオープンEのチューニングに変えてみたことくらい。ほこりを被っていたスライドギターの教則本を引っ張り出してしばし眺めたりした。オープンチューニングのギターをドローン系の楽器として活かすというのもあるな。同様の理由で大正琴にも興味津々で、YouTubeなどで大正琴についてあれこれ調べたりもした。
 面白かったのは、森田吾郎発案の大正琴は、日本では退屈な定着の仕方をしているが、発明後割りと近い時期にインドに移入され、今では古典音楽の楽器として定着しているとのこと。YouTubeで「Indian Banjo」「Banjo Keyboard」というタイトルで見られるのは、インドのそうした楽器で、ほとんど大正琴と同じものだ。しかしやっている音楽は全然違う。こういうのを見ると欲しいと思ってしまう。


 そぞろ神がものに付いて心を狂わせているのであろうか、取るもの手につかず、靴下の破れをつづり、ギターの調律を替えたりしてしまう。心がここにない感じ。誰のところに行っているのか。十数年ぶりのこころもちである。
 「なので」と言ってしまいたい気もするが、多分そうではないのだろう。
 芭蕉に憑いたのは春だったようだし。
by kotoba1e | 2008-11-19 00:36 | もろもろ感想
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