梅小路公園再整備プロセスを見つめ創る多様な市民の会

梅小路公園再整備プロセスを見つめ創る多様な市民の会(仮称)設立のよびかけ

 昨日5月14日、京都市がオリックス不動産による梅小路公園への水族館建設に許可を出したという報道があった。その際、かつてその計画の妥当性について審議し、「条件を付して妥当」という答申を行った審議委員会の委員にも意見を求めたという。
 報じられているところでは、委員からも現計画について相当苦言が呈されたときく。このブログでも論じた七条入口広場の駐車場問題、京都のローカルな環境についてほとんど理解しているとは思えない水族館の展示計画など、相当な批判があったようだ。15日の京都新聞には、かつて委員会の長をつとめた森本幸裕京都大学教授の辛辣な意見が掲載された。
 しかし、審査権者である京都市は、この水族館の建設に許可を出した。市はこれまで、委員会によって求められていた市民意見の反映のための機会づくりもせず、オリックス不動産の計画の擁護にまわる形で、市民に対しては一方的な説明に終始してきた。また、オリックス不動産に課すことになるであろう土地使用料についても、条例に記載されていないような例外的に廉価なものにするという。今回の「許可」は、こうした市の一貫した態度の総仕上げとも言えるものであった。

 水族館建設に始まる梅小路公園再整備計画は、新しい局面に入った。しかし、委員の間にも現計画に対する異論や批判があることが明らかになった今、事業者である市とオリックスの恣意によって計画が進められてはならないだろう。密室でことが運ばぬよう、市民が常に監視し続け、それについて評価を行っていく必要がある。
 事業者側は、委員の指摘を受けて、一定の見直しを行うかもしれない。また、エクスキューズとして市民意見の聴取や、水族館のワークショップ運営のための(申し訳程度のものかもしれないが)、外部団体との連携を模索し始めるだろう。
 このプロセスを、事業者側のイニシアチブのもとで行わせてはならない。市民側が自律し、先行的にオルタナティブを提示し続けられるような体制をつくって行くべきだ。

 これまでこの問題について、根気よく問題点を洗い出し議論してきた方々には敬意を表したい。しかし、プラカードを掲げてただ反対を叫び、中止を求めるようなタイプの反対運動は、今後はもう有効ではないだろう。誰かが生活の場を奪われたりするようなレベルの深刻な問題が存在しないこの事案では、そうした運動は工事差し止めを求めるほどのリアリティを持ちえないように思われる。本当に必要なことは、別のところにある。

 なすべきことは、この梅小路公園の再整備に際して、(1)計画過程に透明性と民主性を呼び戻すこと、(2)その過程を通じ、今後の民間事業者の公園施設の設置運営のあり方について、一定のモデルを構築すること、そして最も大事なこととして、(3)梅小路公園を、地元の住民にも京都市民にも外部からの来訪者にも納得できる、よりよい公園とすることだ。

 そのためには市とオリックス不動産、場合によっては参考人として審議委員会委員も交えることになるであろう、今後の協議の場に対して影響力を持ち得るような、実践的な計画能力のある組織を立ち上げることが必要である。これまで梅小路公園の動向を見守ってきた多くの市民、梅小路に生まれうる環境保全と環境学習の拠点と連携するサテライト(まずは巨椋池とアユモドキが生息する亀岡市の曽我谷川であろうか)を支えるグループ、具体的な空間を構想する力を持つランドスケープデザイナー、そして良心に基づいて個人の資格で参加する公務員等、多様な人々によるフラットな議論によってのみ、そうした活動は可能になるだろう。あくまでコミュニケーションによって創造的に合意を作り出していくことによって、梅小路公園の計画に高度な公共性を付与していきたいと考える。

 そのために、永年水と水辺環境をめぐるシリアスなやりとりの中で鍛えられてきた、「3つの原則、7つルール(原典:みずとみどり研究会)」(※)を、基本的な約束事として位置づけ、「つるしあげ」のない、セクターを超えた率直かつ創造的な議論が行われる場を設けたい。

 以上、このブログに掲載するために一息に書いた。これまでの経過のまとめ等、不備なところも多いが、これをもって、これまでのプロセスを適切に批判し、梅小路公園のこれからを「見つめ創る」新しいグループの立ち上げへの広範な呼びかけとしたい。(この項、随時改稿します)



 このよびかけの趣旨にご賛同いただける方は、このエントリーにコメントをいただくか、kotoba1e★mac.com まで、メールをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ご賛同下さった方のご氏名、ご所属につきましては、ご本人が本ブログコメント欄にて名乗られる場合を除き、会の正式な立ち上げまでは公開いたしません。立ち上げ時点で、お一人一人とその取り扱いについて協議させていただくことといたします。

 なお、会の名称につきましても、よりよいものを募集中です。よろしくお願い申し上げます。



(※)3つの原則と7つのルール
3つの原則
・自由な発言、
・徹底した論議、
・合意の形成、
7つのルール
・参加者は自由な一市民として発言する、
・参加者個人の見解は所属団体の公式見解としない、
・特定個人・団体のつるしあげは行わない、
・議論はフェアプレイの精神で行う、
・議論を進めるに当たっては、実証的なデータを尊重する、
・問題の所在を明確にした上で、合意をめざす、
・現在係争中の問題は、客観的な立場で事例として扱う
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by kotoba1e | 2010-05-16 02:38 | 梅小路水族館をめぐって
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