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町田康『告白』

 町田康『告白』(中公文庫)を読了。夢中になって読んだ。そしてびっくりした。
 その自由自在な語りに圧倒されつつ、時に痙攣的に爆笑させられながら、最後には重い感動を得た。
 思弁の人熊太郎云々ということについては、多くのところで書かれているので、ここでは書かない。
 往古の共同体的なもの、昔々の井伏鱒二の小説なんかにはあっても、このところの現代的で都市的なお文学からはすっかり時代遅れなものとして消去されてしまった「ムラ」の感受性と思惟のありよう、そしてそこにおける孤独というものが、いきなり同時代的なものとして飛び込んでくる。これはまったく得がたいものなのではないだろうか。町田の天才があって初めて可能になったもののように思う。
 すごいなあ・・・。
by kotoba1e | 2009-10-09 01:16 | もろもろ感想
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