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鳥と土

■1月24日(土)
 積もり積もった作業を進めようとして、そのお金の分担等でとんでもないミスをしていたことに気付く。朝からぐったり自分にがっかりという感じである。その他にもいろいろあっていろんなことがが恥ずかしくなってきた。立ち上がったらなんだかふらふらする。書類を作っているといつのまにやら頭の中に霧がかかったようになった。
 気がつくと、ライブハウス「磔磔(たくたく)」の前である。途中のことはあまり思いだせないが、ここまで来たら入るしかないだろうと思い、ドアを開ける。外からみたら創造できないくらいの人がゆらゆらしていてびっくりした。今日はカルガモネンドというバンドのワンマンショーであるという。とりあえず焼酎のお湯割りを1杯流し込んで身体を温めた。
 トリオの登場は爆笑をもって迎えられたが、演奏が始まってしまうとこれはなかなか恰好が良い。ロックバンドがもっともよく響き合うのは、このトリオという編成であるに違いない。それにしてもギタボのムロ氏の声の強さとギターのアクの強さは凄いものだ。おもしろさが前面に出てしまうが、それを支えるリズム隊もかなりの腕前である。宣伝文句のとおり、昭和歌謡のテイストをたたえた、サイケでロックンロールな音楽であった。ロックとしては結構マニアックな辺りで鳴らしているにも関わらず、日本人に懐かしく思える楽曲群というのは、これまでなかったのではないか。Jポップ的日本性とはまったく別のものである。店に入ったときは、恐いお客さんが多いように思ったのだが、よく見ると年配のお客も多い。舞台袖で揺れている一団は熟年をとうに通り越したような人々であった。年代を超えて愛されるバンドということなのだろうか。恰好いいだけではなくて、随所で笑えるというのも関西のバンドらしいところなのかもしれない。もともと、恰好いいR&Rというのは、常にユーモアと一緒にあるものなのだけれど。
 オリジナル曲もいいのだが、「恋の奴隷」「Hold on, I'm comming」などのカバーも絶品。ムロ氏のことは8、9年前から知っているがやっていることが一貫しているのが素晴らしい。学園祭のステージでも異彩を放っていたが、確実に進化している。今度の新譜リリースでもしかしてブレークするかも。京都のタワレコでは大々的にコーナーが設けられているらしい。
 終演後は音楽の働きもあってか、かなり陽気になっていた。そのテンションでムロ氏と歓談。カルガモの前のミニアルバム「ハイカラミラーボール」も購入。CDを売っていた女の子が物凄くかわいかった。近況報告代わりに当方の「Uryuyama Overtone Ensemble」のCD-Rを渡したりした。この高尚なアンサンブルを支えてくれているN嬢とA君は、Baffa Marariaというバンドのメンバーでもあるのだが、ムロ氏も知っているとのことだった。よく判らないがなんだかうれしい。テーブルに残った誰のかよく判らないビールなども「モッタイナイ」の精神で片付けていくうちに、気分はどんどん変な方に伸び上がっていくのであった。
 「磔磔」を辞去すると、京都の寒の夜中はどうしていいか判らないほど寒かった。酔いはだんだん肌から身体の芯へと追いつめられていくようだった。

■1月26日(日)
 今朝の帰りは遅かったのに、5時台に目が覚めてしまう。歳をとったということなのだろうか。渾身の力を振り絞ってパソコンを開いて、すすめていた仕事をいくつか断念する(断念の仕事をしたのである)。悲しいが少しすっきりする。
 こどもから、昨日の中学校の説明会について報告を受ける。お父さんはこんなだが、子どもは立派に育っているんだな。
 長男は今の流行音楽が全然苦手な方で、クラシックか70年代歌謡くらいしか判らないのだが、「カルガモネンド」の「ハイカラミラーボール」をかけたらいたく気に入っていたようだった。今度ライブに連れて行ってやろう。
 午後からは修士論文の口頭試問。芸術を学ぶ人たちの、それぞれの問題意識に触れて、刺激を受けた。帰るとみんなもう寝ているので、台所の棚の奥の料理酒を飲んだら不味かった。以上。

カルガモネンド・オフィシャルサイト
http://www.karugamonendo.com/new_top.html
カルガモネンドのMySpace
http://www.myspace.com/karugamoboyakki

YouTubeにもいろいろあるようなので、検索してみて下さい。
by kotoba1e | 2009-01-25 23:19 | 音楽のことなど
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